[E:Case1]カットされたシーン込エピソードガイド(2)『Endeavour 2012/華麗なる賭け(ある晴れた日に)-新米刑事モース』
WOWOW放送では10分強カットされてしまった部分のある『Endeavour/新米刑事モース~オックスフォード事件簿-Case1:華麗なる賭け(WOWOW)/ある晴れた日に(NHK)』。カットされたシーン込エピガイの続きです。長くてスミマセン。こんなに長いのはこの1話だけにします…
影の仕事人デンプシー氏の出演シーンが総カットの憂き目にあったほか、エンデヴァー・モースの出てくるシーン、サーズデイ警部補の出てくるシーンもちょこちょこカットされております。
ということで、100%ネタバレですので、回避組の方はご注意ください。
[E:Case1]カットされたシーン込エピソードガイド(1)『Endeavour 2012/華麗なる賭け-新米刑事モース』
前半はこちら→「Endeavour(Pilot)/華麗なる賭け」カットされたシーン込エピソードガイド(2)
※ネタバレ注意
© ITV/Mammoth Screen
学校を訪れたモースは、父親に何も言わないことを約束してジェニーから話を聞く。
ジェニーは、メリーが紹介してくれた人が主催するパーティーに参加したと話した。
ウルバーコートの屋敷で開かれたそれは、ジェニーの予想とは違い乱交パーティだった。ジェニーからテッド・サミュエルズが主催者だと聞き、モースはサミュエルズの店に行く。サミュエルズは、売春のあっせんをしていた関係者のリストを要求したモースを恫喝し、店から追い出すとすぐにどこかに電話をかける。
カウリー警察で、モースはロット部長にサミュエルズに会ったことを咎められた。サミュエルズがウルバーコートの邸宅で未成年とパーティをしていたこと、メリーが参加していたこと、容疑者のマイルズは車を持っていなかったことを説明するがロット部長は耳を貸さない。
「いったい何の真似だ?」「調査してるんです」「誰がやれと言った?」モースを怒鳴りつけるロット部長に「俺だ」と答えたのはいつの間にかそこに来ていたサーズデイ警部補だった。
モースを行かせた後、ロット部長はサーズデイ警部補に「サミュエルズの人脈」を持ちだす。ロット部長だけでなく町のお偉方も判事、聖職者、議員、貴族など多くの権力者がサミュエルズに取り込まれている。「そんな大勢相手に相手できると思うんですか?」と聞くロット部長にサーズデイ警部補は唇の端を上げた。
<カットされたシーン>
1:07:41- 1:10:36
サーズデイ警部補、ロット部長にしばらく休暇を取って今後の身の振り方-早期退職-を考慮するように勧める。正気か?と返すロット部長。サーズデイ警部補は、ロット部長が言う事を聞かないなら転属させることも匂わせ、「いずれにせよ二度と顔を見せるな。逮捕しなきゃいけなくなるのは嫌なんだ、アーサー」と警告するが、ロット部長は「そこまでやれるものか」と凄むのだった。
- DIサーズデイ:
- I think you should take a couple of weeks furlough. Run Eileen down to the caravan and have a long hard think about early retirement.
- ロット部長:
- Are you off your nut?
- DIサーズデイ:
- It’s that or put in for a transfer. Your choice. Either way, don’t show your face in here again. I hate to have to pinch you, Arthur.
- ロット部長:
- You wouldn’t dare.
モースとサーズデイ警部補、車でウルバーコートの大きな屋敷に向かう。
ガラスの割れる音がして、サーズデイ警部補とモースが屋敷の中に入ってくる。(サーズデイ警部補がコートの肘についた埃を払っているので、多分彼がドアのガラスを割ったのかも)
屋敷の所有者ははっきりしておらず、爵位が休眠するまではオックスフォードのde Vere伯爵の物だったが今はCrown Estate(王室の所有地?)となっている。やかんが沸騰する音がして、サーズデイ警部補とモースがそちらに向かうと、1人の男が紅茶を飲むかと聞いてきた。
「ちょうどポットを温めたところで、ミルクはないがレモンならある」デンプシー(Dempsey)と名乗ったその男はサーズデイ警部補とモースの名前を知っていた。
何をしているのかと問うサーズデイ警部補に、デンプシーはちょっとした家事だと答える。「君主の領土を守るのが私の得意分野でね。国益だよ。Pax Britannica(イギリスの平和)」「公安課か?」「そのようなものだ、ああ、もちろん」。
デンプシーは、内務省の直通番号と彼の任務を証明できる人間の名前を挙げ、信じられないなら確認すればよいと言う。黙る警部補。
デンプシーは2人がメリー殺害事件で捜査に来たことをもちろん知っており、「メリーは土曜の夜7時に生きてここを出た。彼女を殺した人間はこことは一切関係がない」と言う。
政府(HMG:Her Majesty’s Government)は、クリーヴデンで起きた“プロヒューモ事件”の後始末に追われていて他のスキャンダルを抱えたくない。殺人事件の調査だとしても、これ以上ここを嗅ぎまわるならば君達は事件から下ろされる。例えモースが新聞に政府が捜査妨害をしているとリークしたところで、“D-notice”(D通告:政府が機密保持のため特定の報道を差し止めるむね報道機関に発する通告)を出せばそのニュースが日の目を見ることはない。私が誰を庇っているのか?それをバラさないのが仕事だ」
デンプシーの守りは鉄壁で、サーズデイ警部補とモースはなす術なく邸宅を後にするしかなかった。
※プロヒューモ事件:1962年、当時のイギリスのハロルド・マクミラン政権の陸相であったジョン・プロヒューモが、ソ連側のスパイとも親交があった売春婦に国家機密を漏らしたと疑われた事件である。同政権の崩壊につながり、「20世紀最大の英政界スキャンダル」とされる。(Wikipedia)
- DIサーズデイ:
- Who owns it?
- モース:
- Murky area. So far as I’ve been able to make out from the land registry,the land was owned by the deVeres the Earls of Oxford. Untile the title fell dormant. It’s vaguely Crown Estate now.
- DIサーズデイ:
- Crown Estate? That’s Treasury, isn’t it?
やかんが沸騰する音
- デンプシー:
- Do you want a brew? I’m just warming the pot. There’s no milk, I’m afraid.There’s lemon, though.
- DIサーズデイ:
- Who the hell are you?
- デンプシー:
- Dempsey. Inspector Thursday, isn’t it? And Constable Morse. That was you putting the windows in, was it?
- DIサーズデイ:
- What’s your business here?
- デンプシー:
- Presently, a bit of light housework.The defense of the realm is my bailiwick. National Interest. Pax Britannica, and all that.
- DIサーズデイ:
- What are you, Special Branch?
- デンプシー:
- More or less. Yes. Why not?
- DIサーズデイ:
- Get bloody cute. I’ll run you in.
- デンプシー:
- Home Office, extension 255. Have the duty man put you through to Colonel Domlan. He’ll vouch for my bona fides. No? You’re here about the girl.
- DIサーズデイ:
- What do you know about it?
- デンプシー:
- All you need to know is she left here alive and well about 7:00 on Saturday evening. Trust me. Whoever’s killed her has nothing to do with this.
- モース:
- What is this, exactly?
- DIサーズデイ:
- Tarts in high places.
- デンプシー:
- HMG won’t wear another scandal. We’re still going round with a dustpan and brush after Cliveden.
- DIサーズデイ:
- This is a murder enquiry.
- デンプシー:
- And I hope you catch him. But if you keep digging around this spot, you’ll be taken off the case.
- モース:
- I wonder what the papers would have to say about a Department of State obstructing a murder enquiry. Concealing evidence…
- デンプシー:
- Never see light of day. We’d stick a D-notice on it, and you’d be looking at a nice long stretch for breaching official secrets.
- モース:
- Who’re you protecting?
- デンプシー:
- I wouldn’t be doing my job very well if I told you, now, would I? You sure you won’t have a brew?
外に出て車に乗り込みながら
- DIサーズデイ:
- Bastards like these, it’s business as usual.
- モース:
- So, what, some leg-breaker in a Guards’ tie calls stumps, and we just walk away, is that it?
サーズデイ警部補とモースはサミュエルズの店に行く。
乱交パーティ参加者のリストを求めると、サミュエルズは「自分は権力者達と繋がっているのにいいのか」と開き直る。モースに煙草を取りに行かせた隙にサーズデイ警部補はサミュエルズから実力行使で必要なモノを取り上げたが、封筒を受け取る瞬間を見たモースはそれが賄賂だと誤解する。
しかし、それは乱交パーティの参加者のヌード写真などで、サミュエルズはそれを盾にして警視正に便宜を図らせていたのだった。
<カットされたシーン>
1:13:54-1:14:14
屋敷の中で酒を煽る侯爵。カーテンを閉める。それを外の建物の影から見ているデンプシー。
サーズデイ警部補がメリーの家に行っている間、モースはクリスプ警視正に呼び出される。「答える前によく考えろ」との前置きの後サーズデイ警部補がサミュエルズを殴ったのかと問いただされたモースは「いいえ」と答え、警視正にクビを言い渡される。
オックスフォードに来る前にしたためていた退職願を叩きつけ、「正規のルートで処理」するように嫌味を言ってモースは警視正の部屋を出た。
<カットされたシーン>
1:15:54-1:16:34
警視正の部屋を出たモースをロット刑事部長が待ち受けていた。
「また落第か?コレッジも退学させられたんだろう?お前のファイルを読んだぞ。ロンズデール・コレッジに3年、最終試験前に諦めた。上流気取りの厄介なとこだな。根性がない。面倒の最初の兆候。シッポ巻いてママのところに帰れ。ああ、恨みはないぞ。新しい生活。悪習。お前は中国行のスロウ・ボートに乗ってるんだ」
- ロット刑事部長:
- Flunked out again, have you, College? I read your file, boy. Three years Lonsdale. Threw the towel in before your finals.That’s the trouble with you posh-ohs.No gumption.First sign of bother, it’s off back home to mummy, tail between. Mmm, no hard feelings. You done me a favour. Pastures new.Vice. In the Smoke.And you on the slow boat to China.
※曲の「On A Slow Boat To China」にかけているのでしょうか?スロウ・ボートって貨物船という意味だとか?
モースはヤケ酒にマクリーシュを付き合わせ、署に戻る彼に「サーズデイ警部補にメリーの服の出所が分かれば犯人が分かると伝えてくれ」と頼んだ。
夜、ロザリンドが玄関のドアを開けると、ビニール袋を持ったモースが立っていた。オックスフォードも、警察も、すべてから去るのでその前に挨拶をと聞いてロザリンドはモースを家の中に招き入れる。
モースは、袋からロザリンドの『蝶々夫人』(孤島に持って行くならこの1枚、と話したもの)を取りだし、ロザリンドはモースのヒロインだと話す。
モースはロザリンドに救われた。灰色の何もないところで育ったモースはある日ロザリンドの声を聞いて、この世に美しいものがあると初めて知った。
モースが自分に想いを寄せていることにロザリンドは気づくが、モースからのキスをギリギリで止める。
「夫をとても愛しているの」と。
モースは大人しく引き下がり、ロザリンドはレコードジャケットに書くメッセージを何にしようかと明るくモースに聞く。
カウリー警察に戻ったサーズデイ警部補はクリスプ警視正にサミュエルズから取り上げた封筒を渡した。中から出てきた娘ジェニーの裸体写真に、クリスプは言葉を失う。ネガは焼却したのでもう問題ない、この話を知っているのは自分達とモースだけ、モースは信頼できる男だとサーズデイ警部補は話す。
夜、シャロンがサミュエルズの店にやってきて、高価な車(ジャガー)を手にしたバールで破壊し始める。シャロンは、物音に気付いて出てきたサミュエルズもバールで叩きのめした。
<カットされたシーン>
1:21:35-1:22:34
ロザリンド、モースを玄関まで送る。
サインの礼を言うモース。誰かを見つけるべきだというロザリンドに、婚約していたことがあるとモースは答えた。彼女は大学1年目に付き合っていた彼氏と別れた後モースと付き合ったが、最終的に元彼が忘れられなかった。
ロザリンドは「愛して失う方が愛した経験を持たないよりマシ」と言い「そう言われました」と答えたモースは再度レコードの礼を言ってストロミング家を後にした。
- モース:
- Thank you for the coffee and…レコードを上げる
- ロザリンド:
- You know, you should find yourself a girl.
- モース:
- I did once.We were engaged.
- ロザリンド
- What happened?
- モース:
- Oh, someone she’d left behind.They’d been something in her first year. After it ended, she took up with me.But not to be.
- ロザリンド:
- I’m sorry. Truly. Perhaps better to have loved and lost.
- モース:
- So I’m told. Goodbye, Mrs.Stromming.
朝、モースの下宿部屋。
手首にサイン入りレコードの入ったビニール袋をかけ、スーツのまま靴も脱がずにベッドカバーの上でイビキをかいて寝ているモース。
目を覚ましレコードを見て横に置いた後、上着の襟もとにメモが止めてあることに気付く。
「8時きっかりに俺の部屋へ サーズデイ警部補」
目覚まし時計は7時45分を指していた。なんとか8時ギリギリに辿り着いたモースに、サーズデイ警部補は昨日モースが警視正に叩きつけた辞職願を返し、シャロンがサミュエルズを襲ったことを告げた。
シャロンは取り調べで、メリーがシャロンとサミュエルズの娘だったこと、実娘までもを食い物にしたサミュエルズが許せなかったこと、後悔など一切ないことを話す。
<カットされたシーン>
1:25:16-1:25:32
- DIサーズデイ:
- It’s a rum old go, Morse, and no mistake.Families. Shame. How is it any fault of a kiddie what side of the sheets it’s born?Her flesh and blood and yet all this.As if we didn’t all get here the same way.It won’t do– I know that much.I won’t bloody do.
サーズデイ警部補怒りに燃えています。
マクリーシュから聞いた「メリーの服の出所」についてモースに確認する警部補。
モース曰く、ブラジャーが36CならSサイズのワンピースはほぼ入らないはず。彼女のサイズを知らない誰かからのプレゼントであれば、買った人間を調べれば犯人に繋がるかもしれないとのこと。マクリーシュに聞き込みをやらせて、2人はサミュエルズから話を聞くために病院へ。
病院にて。婦人服調査の進捗を電話で尋ねるモース。小銭が切れたので「OTMoor 2270/オトモア2270」までかけ直してくれるように頼む。
「OTM…」と電話番号を再度言おうとしたところで、モースにひらめきが走る。メリーの右手甲に書かれていた文字「FLX178…」は、車のナンバープレートでもフラットの番地でもなく、チェルシー地区をカバーする「FLAxman/フラックスマン」の略だった。
フラックスマン1788は、外務閣外大臣で庶民院議員でもあるラヴェル卿のロンドンの家、そして卿が金曜日から日曜日までオックスフォードにいたことを調べ出し、モースはサーズデイ警部補に卿が怪しいことを報告する。
その3へ。
やっと、やっとあの、モースの切ない謎解き&逮捕…(涙目)